【決定盤―さらなる深みへ】【魅力のMONO盤】 露メロディア グリンベルク ベートーヴェン 公式 ピアノソナタ全集 13LP

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【決定盤―さらなる深みへ】【魅力のMONO盤】 露メロディア グリンベルク ベートーヴェン ピアノソナタ全集 13LP

商品説明ベートーヴェン ピアノソナタ全集M・グリンベルグ(ピアノ)

露メロディア、Д?023459-84。
モスクワ・プレス (モスクワ・アプレレフカ「Aprelevsky」工場)。ピンクラベル。MONO。
内訳: ダブルレター(DL、MELODIYA文字が2本線))のGOST-68(1LP)
シングルレター(SL。1本線文字)のGOST -68(5LP)とGOST-73(7LP)混在。
注: rocT(GOST)ガストは5ヵ年計画の意味で、例えばG-56は1956年~1960年の間に製盤されたレコードです。 (旧・「札幌エコーズWEB」より)

1964~67年録音, モノラル/ステレオ録音。
1969年モノーラルBOX初リリース、 ステレオBOXは1974年初リリース、と言われています。(調べ尽くしました)
 
盤質: Platte 11-B面とPlatte 12-A面は、EX。 このキズはとても軽症です。
その他は、NM-。
13LP全て盤面艶やか、綺麗です。
箱: VG-。蓋側のコーナー3箇所が破断しています。この箱は。とても古いもの(45年余前)で箱の紙質が厚いボール紙様のものなのでキズ・破損・汚れ等があることが多いものです。
解説: 無。

【【 私の印象2023年8月16日―モノーラルの世界で、さらなる深みへ 】】
◆◆ 【考察】【モノーラルBOXの盤質について】
 ■G-68年のモノーラルBOX盤質の問題について―メロディア盤の専門店の発言
≪グリンベルクのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲集は、ガスト68年のMONO盤、ピンク・イエロー二本線が初版です、
ガスト73年のピンク・イエロー・ホワイト盤がステレオ初版ですが、過去に100セット以上販売しましたが、ガスト73は半分も無く、ほとんどがGー73とGー80の混在かGー80です、…G-68年のMONOは製盤・ビニール原料に問題を持った盤もあります。
(日本: 旧・「札幌エコーズWEB」 メロディア盤の専門店とも言えるお店でした。数年前に閉店しています)≫
 
 ■私の質問に対する回答
私の質問: 私たちは概ね“GOST -73”よりも“GOST -68”の方が良い音であると思っています。“GOST -73”の方が良いのですか。
ロシアの販売店回答:
≪2つのラベルGOST-73を比較すると、ピンクがより好きです。私の主観的な意見では、それはより「身体的な」音を持っています。GOST-68とGOST-73を比較すると、最初の音はより良いように見えますが、バックノイズがはるかに多くなっています。これは、素材としてのビニールの品質によるものです。当時、可塑剤はほとんど添加されていなかったため、半世紀で、マイクロクラックが出現し、ピックアップにも読み取られました。この場合、これはスプリアス信号です。非常に多くの場合、このノイズは有用な音を「詰まらせます」が、記録は理想的な状態に近い。どうやら、記録の保存条件はここで影響を受けます:温度と湿度の違い。≫
ウクライナの販売店回答:
≪(G-68年の初期のものに)…パチパチと音をたてること、クリック音やある種の無関係な音の発生するものがあります≫。
 ■私の考察
「札幌エコーズ」店主の ≪G-68年のMONOは製盤・ビニール原料に問題を持った盤もあります。≫ 発言は、≪…問題を持った盤もあります。≫ということであり、良いBOXもあるはずですが、目視でなく試聴を基にした盤質評価でないと信頼性がない、ということを言っているのです。試聴による盤質評価は時間が膨大にかかるために、目立つキズ以外は目視で行うことで仕方のないことと売り買い相互で暗黙の了解があります。しかし、目視で盤面綺麗でも≪製盤・ビニール原料に問題を持った盤≫は 目視で見分けられないので、試聴検査しなければ判別出来ないということなのです。、
≪G-68年のMONOは製盤・ビニール原料に問題を持った盤≫は、必ずしも目視出来るキズがあるわけではないので、試聴しないと分からないということです。目視“NM”、or“NM-”であってもノイズが発生することがある、ということです。

◆◆ 【私のモノーラルBOXへの取り組み】
 私は、「GOST-73ピンクラベルのシングルレター(SL、MELODIYA文字が1本線)で、ラベル中央に「Апрелевскийордена Ленин завод (Aprelevsky アプレレフカ注文レーニン工場(モスクワ)」に大満足していましたので、MONOプレスBOXには関心がありませんでした。

 ところが、ある時単売りのLPを聞いたとき、その音像と音質が良いのにビックリして『モノーラルも悪くない、良いものだ』と思ったのです。
さらに「このモノーラルBOXの需要が大きかったため、1970 年と 1971 年に追加のプレスが行われた」、とのことに興味が湧いて、『モノーラルBOXも是非とも聴いてみたい』と思ったのです。
 しかし、上述の問題点を知っていたので、どのラベル(プレス)を選ぶか、を検討・調査し、初版ダブルレター(DL、MELODIYA文字が2本線)(DL、MELODIYA文字が2本線)のピンクラベルを回避し、2版シングルレター(SL。1本線文字)のピンクラベルの中央に 『 「Апрелевскийордена Ленин завод(Aprelevskyアプレレフカ注文レーニン工場」と表記されている』 BOXを選びました。
このモノーラルBOXの工場標記文字は、ステレオBOX、GOST-73ピンクラベルと全く同じで、『シングルレターのピンクラベル中央に『 「Апрелевскийордена Ленин завод(Aprelevskyアプレレフカ注文レーニン工場」と表記されている』 ものです。

 聴いてビックリ、ステレオBOXと同様の音質・音像・音場空間があったのです。
 さらに、このモノーラルBOXの「GOST-68、ピンクのシングルレターラベル(モスクワ・アプレレフカプレス)」から聞こえてくる音像は、音像定位 (バランス感、広がり感、奥行き感) が自然であり、音が立っていてしかも柔らかい、聞こえてくる音楽の佇まいがすこぶる良い、と即座に感じました。とても素晴らしいモノーラル盤です。
 そして一度でも良いから、これをヤフーオークションで紹介したいと思いました。しかし、このピンクラベルBOXの流通量は少なく、出会っても多少のキズ・ノイズのあるものばかりで、ましてNM-クラスは殆ど見かけないのです。

 ちなみにステレオBOX、『GOST-73、シングルレターのピンクラベル中央に『 「Апрелевскийордена Ленин завод(Aprelevskyアプレレフカ注文レーニン工場」と表記されている』 の良品入手も同様に極めて難しいのが現実です。

◆◆ 【ここに出品する「モノーラルBOX、GOST-68、ピンクのシングルレターラベル(モスクワ・アプレレフカプレス)」盤質と流通量について】
 ここに出品するレコードには、上述した「製盤・ビニール原料に問題を持った盤」、製造因による盤質の悪いものはありませんでした。
 13LPのA面のバンド1を聴きましたがパチパチ音プツプツ音の発生はありませんでした。

 また、GOST -68とGOST -73とが混在していますが、これはGOST -73への切替時期なのでしょうか。BOX製造としてはとして同一時期にプレスされたものと思います。このBOXのプレス時期は1971 年(~72年)頃ではないか、と上述情報を基に推測しています。同一の音質です。
 但し、Platte 22(第29番Op.106「ハンマークラヴィーア」厚盤)は、初版のダブルレター(DL、MELODIYA文字が2本線)なので工場内在庫品か、或いは、このBOXの所有者がこれを入れ替えた可能性もある、と推測しています。
メロディア盤BOXではラベル混在は珍しくありません。
盤質: Platte 11-B面とPlatte 12-A面は、EX。その他は、NM-。

 ◆流通量の少ない、また製造因による盤質問題の:傾向がある初期『モスクワ・アプレレフカプレス。ピンクラベル』 としては、このBOXは極めて上質良品のものであると確信します。
また、ここに出品する「モノーラルBOX、GOST-68、ピンクのシングルレターラベル(モスクワ・アプレレフカプレス)」の後に、直ぐに「GOST-73 ステレオBOX」が販売された経緯から、この「モノーラルBOX、GOST-68、ピンクのシングルレターラベル(モスクワ・アプレレフカプレス)」の流通量はとても少ない、と思います。
取引先ディーラーに依頼しても良品を探し出すののが極めて困難で、なかなか実現しませんでした。

◆◆ 【グリンベルク/ベートーヴェンのソナタ全集のリリース経緯】
 1964~67年録音, モノラル/ステレオ録音。
 1969年モノーラルBOXリリース、 ステレオBOXは1974年初リリース、と言われています。(調べ尽くしました)
ピアノソナタ第28番 Op.101、 第29番Op.106「ハンマークラヴィーア」 録音:1966年(58歳)
ピアノソナタ第30番 Op.109録音:1967年(59歳)
ピアノソナタ第31番Op.110、 第32番 Op.111録音:1966年
注: 1908年9月6日、ロシアのオデッサ生まれのピアニスト。1978年8月14日没。

 ◆モノーラルBOX …1969年初版
1969年、ベートーヴェンのソナタ全32曲を収録した13枚組のアルバムをリリースしました。
これはGOST-68(MONOプレス) でした。 特徴的なのは、この最初のリリースのラベルにはレコードに番号が振られていないことです。
このラベルは、ピンクラベルのダブルレター(DL、MELODIYA文字が2本線)で、「GOST-68、Апрелевский Завод(Aprelevsky Plant(アプレレフカ工場(モスクワ州)))」の文字がラベル中央に記載されています。 
 ◇このボックスの需要が大きかったため、1970 年と 1971 年に追加のプレスが行われ、新しいマトリックスが作成されました。 未確認のデータによると、このボックスの総リリース数は 1,500 ~ 2,000 部でした。
このラベルは、ピンクラベルのシングルレター(SL、MELODIYA文字が1本線)で、ラベル中央に 「Апрелевскийордена Ленин завод(Aprelevskyアプレレフカ注文レーニン工場」 と記載されたもので、GOST-68とGOST-73があります。

 ◆ステレオBOX…1974年初リリース、と言われています。
≪最初のステレオ版は1973年または1974年にリリースされた。(元・ウクライナの首都キエフの中央レコード店のディレクター)≫
≪アプレレフカ工場の紙ラベルの色は、青ではなくピンクでした。
レニングラード工場のエディションには、濃いピンク、黄色、白のラベルが付いていました。
これらのエディションの中で最初のものはアプレレフカ工場のプレスであったと考えられています。
これが最初のステレオであることを示しました。
これはモスクワ地方であり、すべてが最初にここで生産され始めたためです。(ロシアのディーラー)≫ 
このステレオBOXラベルは、『GOST-73、シングルレターのピンクラベル中央に 「Апрелевскийордена Ленин завод(Aprelevskyアプレレフカ注文レーニン工場」』 と記載されています。

◆◆モノーラル録音盤とステレオ録音盤との相違 (8/16追加付記)
 ◆ここで取り上げるのは、
★モノーラルBOX 『シングルレターのピンクラベル中央に「Апрелевский Завод(Aprelevsky Plant(アプレレフカ工場)」と記載されたGOST-68とGOST-73)』のプレスと
★ステレオBOX 『シングルレターのピンクラベル中央にピンクラベルのシングルレター、ラベル中央に「Апрелевскийордена Ленин завод(Aprelevskyアプレレフカ注文レーニン工場」と記載されたGOST-73)』のプレス
との相違です。
これを表現するのは難しいです。誤解を与えかねない、とも思います。
私達ちが経験している同一演奏録音のモノーラル録音とステレオ録音の違いです、と言っておくのが無難です。
しかし、あえてこれに触れたいと思ったのは、このモノーラルプレスを最初に聴いた時、『殆ど同じだ』と思いました。聴感では殆ど同じ音質、音場空間であることを感じたのです。
もしかしたら、モノーラルプレスの方が良いかも知れない、とも思いました。この思いは継続しています。

 ◆モノーラルの良さをWEB検索すると、
≪ステレオ音源は広い音場(レンジ感や音場感に広がり感がある)を持ち、モノーラル音源は広い音場を持つステレオよりも音が自然で無理がないように感じ、音・音質も良く感じられる。≫
≪モノラルの魅力は独特の音像である。本質的には、音圧感であったり演奏の一体感をステレオ音源以上に強く感じられるという側面のほうが重要である。すべての音が一箇所からまとめて鳴らされることにより、それぞれに分離していない渾然一体とした音像になりやすい。そのことが独特の風合いを生み出す。(ナカニシキュウさん、2019.09.27)≫
とあります。

 ◆8年程前のことですが、私は 『「エラ・フィッツジェラルド(歌) “ガーシュイン・ソングブック (The George and Ira Gershwin Songbook” (1959年、ネルソン・リドルとそのオーケストラ)』 の5LPアルバムを6セットほど販売したことがありました。これはとても高価なものでした。
この5LPアルバムはモノーラル盤とステレオ盤とがあり、本場アメリカでも、また日本でも圧倒的にモノーラル盤に人気が集中していました。モノーラル盤の方が圧倒的に雰囲気が良いのです。ステレオ盤は迫力がありますが、モノーラル盤にはエラ・フィッツジェラルドのジワッとた温かく味わい深い語りかけがあるのです。

 ◆モノーラル録音とステレオ録音で同時録音されたピアノソナタなどの独奏盤(器楽曲全般でしょうか?)は、殆ど変わらないほぼ同じ音質・音場空間を再生する(旨)の発言を何回が目にしたことがあります。

 ◆また、一般的にどのメーカーのLPでもステレオ盤製造の最初期のLPでは、音の不自然さのものと時々出会いますが、私の所持するこのメロディア盤ステレオBOXにも、場所により極少しあります。
ソ連邦・メロディア盤では録音・製盤技術が西側・欧米より遅れていた事情があり、《メロディア盤では、1961年アプレレフカ工場で最初のステレオレコードの生産が始まりました。》との経緯があり、グリンベルク/ベートーヴェン全集は1964~67年録音ということですので、多少の問題はありえるのかも知れない、と思います。しかし、ステレオプレスの魅力は全く微動だにしません。ステレオプレスは、やはり音の広がりがあり立体的な音響を再生します。

 ◆一方、やはりというか、このモノーラルBOXの「GOST-68、ピンクのシングルレターラベル(モスクワ・アプレレフカプレス)」から聞こえてくる音像は、音像定位 (バランス感、広がり感、奥行き感) が自然であり、音が立っていてしかも柔らかい、聞こえてくる音楽の佇まいがすこぶる良い、ということに尽きます。モノーラルプレスとステレオプレスと殆ど同じ音質と述べましたが、曲によってはステレオプレスよりも表情がとても豊かなものもありビックリしこともありました。とても素晴らしいモノーラル盤です。私はこのことを強く感じています。

 ◆残念なことに「ステレオBOX、ピンクラベル(アプレレフカ工場プレス)、GOST-73」が発売されることによって、このモノーラルBOXの「GOST-68、或いはGOST-73ピンクのシングルレターラベル(モスクワ・アプレレフカ工場プレス)」の製造・販売は短命に終了してしまい、流通量がとても少なく、さらに良品は尚更に【激・超稀少】なのだと思います。

私は今のところ、モノーラルBOXとステレオBOXの両方を所持しています。その時の気分で思いつくままに、どちらかを選んでいます。

◆◆ピンクラベルのアプレレフカ工場プレス標記(…私の知る限り)
Апрелевский Завод (Aprelevsky Plant。アプレレフカ工場(モスクワ州))…ダブルレター(DL、MELODIYA文字が2本線)
АПРЕЛЕВСКИЙ ОРДЕНА ЛЕНИНА ЗАВОД (APRILEVSKY ORDER OF LENIN PLANT。アプレレフスキー注文レーニン工場(モスクワ州))…シングルレター(SL。1本線文字)

◆◆アプレレフカ工場 (WEBより)
1961年に、最初のステレオレコードの生産が始まりました。
1964年、アプレレフカ工場は全連合レコード会社「メロディヤ」の主要制作企業の一部となり、その後、ソビエトの全レコードの最大65%を生産しました。
注: 各種のVSG盤もここで生産されたものと思います。


【【 私の印象2023年8月17日― グリンベルクの“歓喜の歌” 】】
私は過去(下述)の 【私の印象―2019年】 に次の文章を記述しました。
≪Platte 12の第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」 Op.106: 
音像が鮮やかでクッキリとしている。演奏もピアノの音もピュア、無駄な音・退屈な音が一つも無い。長大な難曲なのに表情にたるみも違和感もない。とても素晴らしい。思わず「凄い」と唸ってしまいました。
とりわけ第3楽章の緩徐楽章は心澄みきり深い静謐を湛えるものであり、そのメロディラインの表情は限りなく美しく、その安らぎは深く、何ものにも代えがたい天上のものと感じます。
Platte 13の31・32番は特にグリンベルクの高揚した感情が抑制されて奏でられていることが伝わって来て、人間存在の姿、ベートーヴェンの真実がここにあるかのように思えてきます。
曲想に集中している緊張感は心地良いもので、何かを抜けた処で奏でられていることが伝わってきます。解き放たれ、浄化され澄んでいて、温かさすら感じられる、のです。
これに感応道交して涙がこぼれそうになる瞬間があります。
聴いていて楽曲に合わせて自分の身体が動き出すことが度々あります。リズムが絶妙格別です。名品、絶品。
噛めば噛むほど、聴けば聴くほど、その良さが知らされます。しみじみとジーンとくる演奏です。…
グリンベルクには夫と父親の逮捕、処刑があり、本人自身が国から演奏の場を奪われなどの不遇が長時期あった様で、その精神的プロセスが反映しているのかも知れない。
しかし、同様に、であるからこそ他の誰にも無い後期ソナタの絶品の数々、苦悩を抱えながらもそれを超えた光と明るさが灯っている、大きな或ものを抜けた者の心根と確信による広々とした世界が自然素朴に現れ出ている演奏を生み出したもの、と私は思っています。≫
さらに、これを書いた直後に、これに加える言葉が湧いてきました。

グリンベルクの32番は、『 “歓喜の歌” なのだ』、と私は気づきました。グリンベルクは32番を“歓喜の歌” であると理解認識し、共感し、演奏したのだと思います。
これはグリンベルクがベートーヴェンに共感し、自らの歩みに感謝し、自らの生命(いのち)に充ち足りていることの “歓喜の歌” なのだ、と私は改めて認識したのです。

グリンベルクの32番は、不遇であったグリンベルクが自身の歩みと自分の生命(いのち)とを心乱すこと無く受け止め、
その中で自分自身と音楽(という他者・宇宙)と対話する取り組みを続けて、自らの内に湧き出でる生命(いのち)を静かに見つめ続け、
それに感応道交して、感情抑制された“歓喜の歌”として自然に奏でられたものなのだ、と思いました。
この時、グリンベルクは大いなる生命(いのち)と出会い、得心し、救われたのだと思います。
グリンベルクは救われたことを身に感じつつ、それを噛みしめ味わい、“神”という名のものであったかどうかは分かりませんが、大いなるものに深く感謝し、自身の人生に納得したものと思います。これは心の自由、根本的な自由でもあった、と言えます。世俗的な不遇と不自由の呪縛から解放されたものと思います。
斯くしてグリンベルクの32番は、グリンベルクの境地としてあり、その詩として絶妙な表情で奏でられたものだと思います。
そしてこれは、グリンベルクは、自らの歩みの中にある他者・宇宙との関わりであり対話であるものに導かれて在る人の生命(いのち)のかけがえのないあり方を、人は救われる存在なのだとの思いを、それを聞く私達に届けたいと願って演奏しているのだと思います。
この様にグリンベルクの演奏は、その心から生まれる曲想がとても明確明快なのです。

私は『今までにこの様な表情の演奏を聞いたことがない』、と思いました。

そして私は≪グリンベルクの32番は“歓喜の歌”なのだ≫との確信をベートーヴェンの歩みの中に知りたくなり、ベートーヴェンの作曲歴を作成しました。(その抜粋)
1811年(41歳) ピアノソナタ第26番 告別、ピアノ三重奏曲第7番 大公
1812年(42歳) ヴァイオリンソナタ第10番 ト長調 Op.96(1812年)
1813年(43歳) 交響曲第7番 Op.92
1816年(46歳) ピアノソナタ第28番 Op.101、チェロソナタ第5番 ニ長調
1818年(48歳) ピアノソナタ第29番 「ハンマークラヴィーア」Op.106、
1822年(52歳) ピアノソナタ30番~32番(第32番 ハ短調 Op.111)
1824年(54歳) 交響曲第9番ニ短調(合唱付き)Op.125
が作曲されたことを知りました。
その後
1825~26年(55~56歳)に最晩年の弦楽四重奏曲の6曲 (第12番 Op.127~第16番Op.135)が作曲され、
1827年3月26日に生涯を閉じ享年58(満56歳没)でした。
ベートーヴェン晩年のピアノソナタは、とりわけソナタ30番~32番は交響曲第9番の直前に作曲されたものでした。交響曲第9番にそのまま繋がっていくものであることが分かります。
グリンベルクは、このことを踏まえるかのようにして、晩年のピアノソナタを演奏している、と私は感じ、また理解しました。


【【 私の印象―2020年6月、さらなる深みへ。ステレオBOX 『GOST-73、シングルレターのピンクラベル中央に 「Апрелевскийордена Ленин завод(Aprelevskyアプレレフカ注文レーニン工場」』 プレスの考察 】】

私はこの「グリンベルク/ベートーヴェン/ピアノソナタ全集13LP」の世界に強く大きく感動し、その旨を記述し度々出品してきました。
その私が、ここに出品する“ピンクラベル”から聞こえてくる世界・音場空間から、これまで以上にグリンベルクの演奏が奥深く豊かなものであることを強く知らされたのです。
半年余前のことです。

私はこれまでに様々のラベルの「グリンベルク/ベートーヴェン/ピアノソナタ全集13LP」の印象を詳しく記述して、度々出品してきました。
そのうちの音質傾向の要点は次の記述です。

★ レニングラード・プレスについて
ガストG-73)であり、音の良いと言う人の多いレニングラード(Ленинград)・プレスです。ヌケの良いバランスの良い臨場感あふれる音です。
イエローラベルはSTEREO盤初期のプレスと思われるものです。
ピンクラベルはその後のものなのでしょうか。すっきりした透明感のある良い音です。

★ 【VSG】モスクワ・プレスについて
【VSG】モスクワ・プレスの特徴は、音にうるおいがある、やや木質的、レニングラード・プレスがスタンウエイならモスクワ・プレスはベーゼンドルファーといった傾向、
と言えるように思います。
これは好みの問題というしかありません。

今もこの2つの評価は変わりません。

★★ そして今回出品のモスクワ・プレス(press by Aprelevka plant)のピンクラベルについて
これは、これまで私が記してきたレニングラード・プレスと【VSG】モスクワ・プレスの音の傾向を併せ持ったものです。

すなわち、『ヌケの良いバランスの良い臨場感あふれる…すっきりした透明感のある良い音』で、かつ、
『音にうるおいがある、やや木質的、…ベーゼンドルファーといった傾向』
とを併せ持った音であり、いわば完璧とでも言いたいものです。

私はこのピンクラベルを聴いて、今まで受けてきた感動の上に更なる深い感動を持ちました。

音のバランス・定位が良く、一層自然であり、歌心・詩心がさらに豊かに聞こえてきました。

以上、この感動を伝えたいと思い、何としても自分の手で出品したいと思い立ち、半年余の取り組みでの出品となりました。

【私の印象―2019年】
定評通りの名演名盤で、素晴らしいベートーヴェンです。表情がとても豊かです。
私は全曲聴きながら、また時々聴きながら、多くの楽曲で共感を持つと共に、常にピアノの音がとてつもなく良い、と実感しています。ピアノの表情、雰囲気が実にリアルで豊かでヌケが良いのです。

全てをメモしていませんが、私が聴いた印象は次の通りです。
Platte 6の第13番 「幻想曲風ソナタ」Op.27-1: 心地良い表情。
Platte 8の第18番 Op.31-3: 演奏良い、音が良い。
Platte 10の第23番「熱情」 Op.57、第24番 「テレーゼ」 Op.78、第25番「かっこう」 Op.79: 演奏良い、素晴らしい。

特に後期(第28番、第29番、第30番、第31番、第32番)は絶品です。

Platte 12の第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」 Op.106: 
音像が鮮やかでクッキリとしている。演奏もピアノの音もピュア、無駄な音・退屈な音が一つも無い。長大な難曲なのに表情にたるみも違和感もない。とても素晴らしい。思わず「凄い」と唸ってしまいました。
とりわけ第3楽章の緩徐楽章は心澄みきり深い静謐を湛えるものであり、そのメロディラインの表情は限りなく美しく、その安らぎは深く、何ものにも代えがたい天上のものと感じます。

Platte 13の31・32番は特にグリンベルクの高揚した感情が抑制されて奏でられていることが伝わって来て、人間存在の姿、ベートーヴェンの真実がここにあるかのように思えてきます。
曲想に集中している緊張感は心地良いもので、何かを抜けた処で奏でられていることが伝わってきます。解き放たれ、浄化され澄んでいて、温かさすら感じられる、のです。
これに感応道交して涙がこぼれそうになる瞬間があります。
聴いていて楽曲に合わせて自分の身体が動き出すことが度々あります。リズムが絶妙格別です。
名品、絶品。
噛めば噛むほど、聴けば聴くほど、その良さが知らされます。しみじみとジーンとくる演奏です。

何よりもこの全集セットのレコード達のプレス・製盤はとても良いものです。
グリンベルクの温かな心あふれるその微妙な心が音に宿っていて、音楽の訴求力はとても豊かで力強いものがあります。
ベートーヴェンの豊かな音楽世界、グリンベルクの豊かな音楽世界がいっぱいある、に尽きます。

グリンベルクの演奏・ピアノも、MELODIYAの録音も、製盤技術も、そのすべてが優秀であるが故の名演名盤だと思います。
ピアノが本当に本物のピアノの音なのです。生々しい響きとその輝きを感じます。実際の良質なホールでのピアノの音そのものです。
ヌケの良い綺麗なピアノの音がそのままリアルに録音されていて、さらに製盤されている、のです。

レコードの再生でその音が聞けたことは驚きです。
第一には、良い演奏のレコードで出会える事が大事なことは言うまでもありません。
と共に、音そのものに本物の潤いを感じること、“神宿る”ような真実の心を感じること、それを得ることがとても大事なことである、と私は思っています。
これがアナログレコードの醍醐味だと思います。

これがグリンベルクにはありました。

MELODIYA盤は全般的に録音・製盤工程で音がいじられていない自然音に近い印象があり、私はそれを好んでいます。このグリンベルクは、その極北のものとして生まれ出たもの、と私は思っています。

グリンベルクには夫と父親の逮捕、処刑があり、本人自身が国から演奏の場を奪われなどの不遇が長時期あった様で、その精神的プロセスが反映しているのかも知れない。
しかし、同様に、であるからこそ他の誰にも無い後期ソナタの絶品の数々、苦悩を抱えながらもそれを超えた光と明るさが灯っている、大きな或ものを抜けた者の心根と確信による広々とした世界が自然素朴に現れ出ている演奏を生み出したもの、と私は思っています。

このグリンベルクの演奏とMELODIYA録音・製盤技術の結晶がこの全集13LPです。

このレコードセットはグリンベルクとMELODIYAとのとても素晴らしい贈り物です。
名演名盤、愛聴盤になりえるものと思います。

価値ある逸品、是非にとお勧めします。注意事項目視判断と部分試聴(場合により全面)にて下記『品質等級基準(略称「評価基準」)』を目安として評価表記します。ノイズ因となりそうなキズは幅広く採取試聴するなど丁寧に検盤しています。MONO盤はモノラル用カートリッジを使用して試聴しています。
【評価基準】
盤質/ 
M (Mint):新品(未使用)、及び、ほぼ新品同様。
NM (Near Mint): 目視できるキズ・擦れは無く、とても綺麗で非常に良い状態。
EX+ (Excellent Plus): ごく軽い或いは見えにくい部分的な擦れやキズが僅かに見られるが、
かなり綺麗で、ノイズには出ないとても良い状態の物。
EX (Excellent): 軽い部分的な擦れやキズが少し見られるが、ノイズには出ない良い状態の物。
EX- (Excellent Minus): 軽い擦れ、浅いキズが部分的に少しあり、
ノイズはごく軽症(小or少)で殆ど気にならない良い物。
EX-- (Excellent Minus Minus): 軽い擦れ、キズが部分的にあり、
ノイズはEX-よりもやや多いがそれ程気にならない軽症の良い物の範疇。
VG+ (Very Good Plus): やや強い擦れやキズがやや多くありノイズが時々発生するが、
全体としては良好で鑑賞を妨げない。
VG (Very Good): 擦れやキズが目立ちノイズも多く発生するが、鑑賞を妨げない。
 注: 「/」を使用している表記の場合は「A面/B面」を意味します。

ジャケットor箱、解説/ 
M (Mint):新品(未使用)、及び、ほぼ新品同様。
NM (Near Mint): 破れ擦れが無く、とても綺麗で非常に良い状態。
EX (Excellent): 部分的な傷み、汚れがあるが、総合的には良い。
VG+ (Very Good Plus): 傷み(破れ、汚れ、色変化)が多く目立つが、
ほぼしっかりしていて全体としては良好。
VG (Very Good): 傷み(破れ、汚れ、色変化)が多く目立つが、使用を妨げない。

基本は上記の表記法で表し、その他気が付いたことは別途記述します。

中古レコードは発売後数十年を経ち使用されてきたものが大半です。多少の傷み、経年変化、レコード特有の軽いプチ・チリノイズはつきものであることはご承知下さい。
また、装置・聴く環境等の相違もあり、ごく軽微なものの見落とし、評価・見方の多少の相違などはご容赦願います。

『レコード盤の実態に即した評価表記のもと納得できる買い物をしたい』は、誰もの気持ちです。それ故に評価は、買う立場になり、掛け値無し、双方が納得できる適正・厳正であることを心がけています。

【付記】
(1) 『評価基準』は等級を示す言葉(或いは記号)ごとに品質状態を明示説明するものです。また、実物と表示品質の適否をチェックする際の基準にもなります。
 “美品”“良好”“NM” の単語一つだけでその説明のない品質表示は品質状態が全く意味不明で、それ故に責任の所在も不明です。高名な高額品通販店でもこの様な表示がされ、“美品” 実は「キズもノイズもかなりある物」、との経験を私は何回かしています。私が安心できる購入には『評価基準』が必要と思う由縁です。
 私の『評価基準』は、国際的な「Goldmine Grading Guide」や専門店例を参考にしました。事例は千差万別、品質基準を定義する難しさを痛感します。定義は一定の巾を持ちますが単純で、現物は複雑多様です。故に万能ではありませんが、無いよりはあった方が遙かに良いことは確かです。評価表記にプラスαの表現を工夫することで補完します。
(2) 中古レコードは或る程度のキズやノイズがつきものなので、私の『評価基準』はEXクラスを細かく分けた等級にしました。
(3) キズ極軽微で明らかにノイズ出ないと思えるのにノイズが出ることがあります。一聴キズ因と思いがちなのですが、この場合の多くは「スプレー液残滓」等の汚れがキズ内にある為で丁寧な清掃で除去できます。このケースあれば試みて下さい。

★私も音楽を聴くことを大きな歓びとしています。ヤオフクは出会いの場、愉しくやることが第一なので、【私の印象】記述を含め良い音楽との出会いが持てるレコードを一つでも多く紹介したいと思っています。惚れ込んだ演奏家やレコードを繰り返し出品・紹介しているのはその一つです。こちらの商品案内は 「■@即売くん5.51■」 で作成されました。

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